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9月26日(金) 4日目 宿泊 (プチペンションやすらぎ)

杖杉庵では、明け方より小雨が降り出した。
日が昇り、濡れたままのテントを軒下まで急いで運び、顔を洗い、カロリーメイトを朝食に食べた。
テントが少しでも乾くとよいと思い、軒下のベンチでゆっくりさせてもらっていた。

すると、マイクロバスが一台駐車場に止まった。
中から白衣を着たおばさん軍団がわらわらと降りてきた。
ガイドさんとおぼしき男の人が右衛門三郎についても伝説を大声で説明し始める。
こんな所に朝早くから人が来るなんて思ってもなく、テントも荷物も軒下に広げたままだったので焦った。
寝起きの疲れた頭であんまり会話をしたくない気分だったので、急いでテントをたたみ、荷物をまとめた。
荷物をまとめ終わるか終らないかのうちに、おばさん軍団がお賽銭をあげに、本堂のほうへ近づいてきた。
あっという間に、囲まれ、質問攻めにあう。
荷物をなんとかまとめ終わりポンチョをかぶり、本堂にお礼だけ述べ、急いで出発しようと石段の階段を駆け下りた。

その瞬間、階段前で飛んでいた2匹の大きなスズメバチを蹴ってしまった。
あっ、と思った瞬間右のふくらはぎ下に激痛が走る。
逃げようと小走りに走るが、追いつかれて次に右のひざ裏。
黒のパンツをはいてなくて良かった…なんてどうでもよいことが頭によぎった。
足は痛いが、おばさん軍団の中に戻って状況を説明したくなかったので、びっこを引きながら歩き続けた。

生まれて初めてハチに刺された…
ここは見渡す限り山。
小さな集落の中ではあるが、医者なんてとてもいないだろう場所だ。
あー、やばい。
初めてだからアナフィラキシーショック状態になることはないけど、4cmくらいのスズメバチ2匹だったし、大丈夫だろうか…
雨がしとしと降っている。
道端に屋根がある無人販売の小屋を見つけたので、軒下に座り刺された場所を見た。
真っ赤になって腫れているが、針も残っていないようだ。
携帯から家に電話し、ハチ刺されの対処法を聞いた。
ステロイドや冷やすための道具もないので、消毒用のイソジンをたっぷり傷口(3箇所刺されていた)に塗り、念のためイソジンの容器の口で刺された箇所を吸ってみた。
その後絆創膏を貼り、完了。
ひどくなるようなら、麓で病院にでも行こうと思いながら、再出発。
雨にハチ刺され…正直ちょっと泣きそうだった。

急なアスファルトの道を降りていく。
しばらくすると、足の痛みもそんなには気にならなくなってきた。
呼吸も正常だし、なんとかなるだろう。

地図を見ると、遍路道の入り口を2つ通り過ぎてしまっていたみたいだ。
それでもアスファルト道をしばらく降りると、神山温泉に向かう道と玉ヶ峠を越える道の分岐点に出た。
最初から神山温泉には寄る予定がなかったので、玉ヶ峠方面に向かう。
そう言えば、2日前鴨の湯で一緒になった須磨の女の子は、神山温泉の道の駅まで向かう、と言っていた(現在神山温泉の道の駅は宿泊禁止となっていると後で聞いたが…)けど、ちゃんと着けたのだろうか、などと考えながら峠への林道を登って行った。

しばらくすると、杉林の間を抜ける遍路道の標識と休憩用のベンチが現れた。
遍路道の右側にはきれいな沢が流れている。
雨は相変わらず降っているが、この辺の山は一旦中に入ると木々が雨をかなりしのいでくれる。
有難くベンチで少し休憩させてもらい、杉に囲まれた遍路道へと入っていった。

杉の枯れ枝や落ち葉のクッションのお陰で、雨の山道は全く滑らない。
私以外の人間の足音は全く聞こえない深い山。
見渡す限りの茶色と緑と、時々する小鳥の声。
しっとりと世界が濡れている。
心が落ち着く。
心細いなんて感じない。
不思議だ。

杉のトンネルを杖をつきながら、登っていく。
登りがきついことには変わりない。
でも、昨日の焼山寺に比べるとなんてことはない、と思えるくらいにはなっていた。

両側の低い崖に挟まれるような感じで、峠の道路が見えた。
昔の人間も、同じようにこの峠を見たのだろうか。
江戸時代の人が山道を普通に通っていた頃などには、もっと往来が多かったのだろうか…

峠のすぐ横には、大きなお堂のようなものが建っていたので軒下で休憩させてもらっていると、雨が止んだ。
ここからは、アスファルトの下り道を降りていく。

しばらく歩くと、景色が急に開けた。
眼下に見えるのは、鮎喰川の美しい青の蛇行。
ミカン畑と集落、そしてその透明な水のコントラストに息を呑む。
こんな場所に住むのも良いな、と思う。
002.jpg

更に山を降り集落を抜けて、ようやく鮎喰川沿いの県道に出た。
遍路を始めて4日目。一度もお風呂に入っていない。
遍路道は、鮎喰川にかかる橋を渡ることになっているが、その橋の下に降りれる。
我慢ができずに、そこで水浴びを決行することにした。
003.jpg
ここは、ごろごろの石さえ気にならなければ、テントを張るのにもってこいの場所だと感じた。

遍路道の橋を渡り、集落を抜ける。
県道に戻る直前に沈下橋を渡るが、そのすぐ手前が牛舎になっていた。
そこにいっぱい詰め込まれ、耳に認識標をつけた牛たち。
一匹の子牛のあきらめたような悲しい目が忘れられない。

県道を更に歩いていると、自動車の修理工場の前を通った。
「ちょっと休憩していかんか?」
と、工場の中のおじさんに声をかけられた。
ありがとうございます、お言葉に甘えさせていただきます、と軒先に荷物を置いて座ろうとすると、
「何じゃ。ちゃんと中に入って休みなさい。」
と言ってくれた。
仕事を中断してくれて、事務所まで案内してくれた。
「うちで作ったすだちを絞ったジュースなんよ。酸っぱいけど、元気が出るよー。」
と、二階から冷たいジュースとシロップを持ってきてくれた。
そのジュースは新鮮なすだちそのままの味がした。
本当に、おいしかった。
しばらくお話をしながら休憩させていただいて、自家製無農薬すだちを両手いっぱいほどいただいた。
おじさん、ありがとうございました!これからも美しい鮎喰川の側で、お元気で頑張ってください!

今晩は、ハチ刺されの足も心配だし、お風呂に入って洗濯もしたいので宿に泊まることにした。
県道沿いの「プチペンションやすらぎ」さんにお世話になることに決定。
ちょっと早めに歩くのを止める。
ここは、インターネットも無料で使用させてくれ、洗濯もお接待で無料(乾燥機は200円)・部屋は洋室で各部屋BT有・きれいな施設で満足だった。
二食付6,825円。お食事もおいしかった!
ありがとうございました。

鮎喰川、その付近の山々の自然が未来のお遍路さんのためにも残っていきますように。
ここに住む全ての命に光あれ。

4日目 歩行距離 14.5km
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