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10月1日(水) 9日目 野宿(内妻ビーチでテント泊)

9月23日に出発した遍路の旅も、10月に入った。
毎日ただ歩いていると、曜日や日にちの感覚なんて完全に麻痺していたが、あー、もう10月なんだ、とさすがに思った。
朝起きると、まだ雨が降り続いている。
台風はどうやら他の方向に反れたらしいが、昨日の子犬たちは大丈夫だろうか…

朝食を取るために1階の部屋へ入ると、昨日のおばあさんが既にいた。
おばあさんは、南フランスからわざわざ家族の平和と健康を願うために四国遍路に来ていた。
なんでも在日アメリカ人が四国遍路について書いた本を読み、興味があったので来たとか。
おばあさんの名前はアンドレ。
フランスで曹洞宗を信仰しているらしく、以前一度長崎にホームステイしたことがあり、ひらがなくらいなら読めた。
一人だと不安らしいので、パーティーを組むことになった。

雨の中、橋本屋旅館の女将さんに見送られながら二人出発する。
しばらく歩いていると、左側に海が見えてきた。
ようやく南国の海らしくなってきたけど、雨なのが残念だ、と思っていると、雨音に交じってやたら低音量のしわがれたニャーニャーという声が聞こえ始める。
辺りをきょろきょろ見回すと、低いちょっとした展望台の下にダンボールが置かれていた。
覗いてみると、ダンボール箱の中に白いネコが1匹入っており、死にそうな声で必死に鳴いている。

このまま濡れると風邪を引く。
お腹も空いているのだろうか。

考える間もなく、ポンチョの中に抱え込んでしまった。
人馴れはかなりしているようだ。抵抗もしなかった。
「一緒に連れて行くの?大丈夫なの?」
と、アンドレは心配していたが、乗りかかった船。
飼い主を見つけるまで一緒に歩こう。見つからなかったら、家に連れて帰ろう。そう思ってまた雨の中歩き出した。

かなり大人しい猫で、最初は抱かれるままだった。
だんだん雨が止んできて、空に明るさが戻ってきた。
そのうち猫がぐずりだした。
地面に置いてやると、一緒にアンドレと私の後について歩き出す。
Kobo.jpg
だが2kmくらい歩いたところで、へばってしまったのかトイレの後「もう歩きたくない」とニャガニャガ抗議し始める。
そこでまた抱き上げると、しばらく腕の中で眠った。
また起きてはぐずり、肩の上に乗っかって移動したり、と今日の行程はあまり進めていない。
だんだんアンドレに対して申し訳なくなってきた。
お接待をしてくれる人達に猫を飼ってくれるような方はいないか尋ねてみたが、さっぱりだった。
そんなこんなでゆっくりとだが、阿波最後の札所、23番薬王寺が近づいてきた。

23番札所 薬王寺 19.7km
山門には、阿吽像の代わりに大きなわらじが立っていた。
驚くことに、アンドレは般若心経もそらで唱えることができた。
おばあちゃん、6番のおじいさんの亡くなった娘さん、今まで出会った全ての人、そして昨日の2匹の犬たちや今まで見た全ての動物の幸せを願って、阿波は打ち終わった。
寺を出る際にアンドレに、小さなわらじを山門にくくったりするのには、何の意味があるのかを問われたので、旅の安全を願ってだろう、と答えておいたがそれでよかったのだろうか。
薬王寺付近で猫のエサを買ったが、以前から買おうと考えていた耳栓を買うのは忘れてしまった。不覚…

23番札所を出ると、次の24番まで一気に75kmの間が空く。
修行の道場土佐への入り口だ。
この猫を連れながら、今日はどこまでいけるだろうか…

薬王寺を出るとルートはまた山の中へ戻る。
しかも国道沿い。
この頃にはすっかり雨があがり、ポンチョもバックパックに掛けて乾燥させていた。
猫が大人しくしないと、歩くのが恐い。
猫が暴れるので下ろしても、車の音が恐くて猫が歩かない。
困ってしまった。
アンドレには先に行っててくれ、とは言っているが待っててくれるので申し訳ない。
薬王寺から1.5kmくらい歩いた場所にある休憩所で、アンドレが自分のバックパックの中から肩に掛けることができる布のバルーンショルダーバッグのようなものを出して貸してくれた。
これなら猫を中に入れて楽に歩くことができるだろう、と。
私はこれを結び目をつくり首からさげた。
猫は、このバッグに入るとなんと熟睡し始めた。
ここぞとばかりにひたすら歩いて距離をかせぐ。
結局猫は午後いっぱい、カバンの中で歩くたびにゆさゆさ揺られながらも目が覚めて顔を出してはまた寝ていた。
009.jpg

そんなこんなで牟岐町に着く。
アンドレは牟岐町の民宿に泊まる予定だったので、お昼くらいに「内妻荘」さんに予約の電話をしてあげていた。
私はどこで野宿をしようと思っていた。
この辺りから、アンドレも「足が痛い。もう歩けない。」と言い出した。
そこで、牟岐町の真ん中ほどにあるローソンまで「内妻荘」さんの方にアンドレを迎えに来てもらうことにした。
電話をすると、10分くらいで迎えに来てくれるそうだ。
その間に猫バッグをアンドレに預けて、ローソンで今日の晩御飯の豆腐1丁とサラダ、それに明日の朝ごはん用のおにぎり2個と野菜ジュースを買った。
レジで、この辺で野宿する場所はありませんか、と尋ねると従業員3人でうーん、と呻っていたが、テントもあるんで、というと急に目を輝かせて、
「テントあるんですか?じゃ、内妻のビーチで野宿できますよ!トイレもあるし!」
と、返事が返ってきた。
ご親切に教えていただいて、ありがとうございました。

外に出てると、アンドレの迎えが到着していた。
アンドレはしきりに野宿を心配して宿に私を誘っていた。
だが既に2泊も連続で宿に泊まってしまっているので、流石に今晩は野宿をしたかった。
猫バッグを受け取り、手を振ろうとすると、
「野宿されるんですか?ご一緒にどうですか?」
と、宿のご主人に言われたが、猫がいるので、と断った。
アンドレと御主人が車で走り去るのを見送り、猫バッグと共に歩き始めた。

正直ビーチまでの1kmは、きつかった。
足が痛い上に、日が暮れ始めている時の1kmは、朝の5kmくらいに相当する。
最後のカーブを曲がる前に、一台の車が止まっていた。
先ほどの「内妻荘」さんの車だ。
アンドレを民宿に置いてからまた戻って来てくれたらしい。
「猫と泊まれる部屋を用意するので、どうですか?」
と、親切にもオファーしてくれたが、やはり今晩は野宿をしたいので、と言うと
「そうですか。では、お気をつけて。」
と、車で去っていった。

内妻の海岸に到着。
あ、ここ知っている。
つい数ヶ月前に生見にサーフィンに来たときに友人がサーフボードを購入しようとした店がある場所だ。
この海岸にも昼間はいつもぽつぽつとサーファーがいる。
海岸上のサーフショップは閉店していたし海岸には今は誰もいなかったが、少しなじみの海岸だったので安心して民宿横の坂を下りていった。
さて、トイレがあると聞いていたが、既に回りは暗くなり始めていてあまり見えない。
しょうがないので、ビーチの適当な場所で猫を下ろし宿泊準備を始めた。
きれいなビーチを猫と二人占め。なんて贅沢なんだろう。
010.jpg

テントを貼って寝袋を敷くと、猫はまるで我が家に入るように寝袋の上で丸くなった。
夕食を一緒に外で食べ、足のマメ治療を終らせて、二人でテントに潜り込んだ。
猫には沢山小さなダニがくっついていた。
昨日の赤犬に付いていたダニのお陰で耐性もつき、小さかったので、全てピンセットで取ってあげた。
昨日の犬は、結局週末に引き取りに行く予定になったと連絡があった。

近づいていた台風の影響で風が強かった。
何度テントに立てかけてもお杖さんが倒れてしまうので、一人で寂しいのだろうと判断してこの夜からお杖さんもテントの中で一緒に寝ることとなった。
猫は、夜トイレに行きたくなると、テントの入り口で濁点のついたニャーという声で鳴く。
少し開けてやると勝手に出て行き、しばらくするとテントに戻って寝袋に潜り込んでくる。
本当にかわいいやつだ。

夜中に一度強い突風が吹き、目が覚めた。
飛んでいったものはないかとテントの入り口を開け、外を見ると、空は満点の星が大きくキラキラと輝いていた。
昔カリフォルニアの山奥で深夜に見た星のシャンデリアのようだった。

その美しさを余韻に残し、寝袋に猫と潜り込み、夜は更けていった。

今日もいろんな人に会い、いろんな出会いがあったけれど、みんな、ありがとう!

9日目 歩行距離 27.8km
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