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10月3日(金)11日目 宿(ロッジおざき)

猫がいなくなって、また同行二人の朝が明けた。
白浜ビーチには朝早くから地元の人達が散歩やマラソンにやって来る。

だらだらしているのは失礼なので、テントをできるだけ早くたたんで顔を洗いに行く。
トイレの真裏に設営していた。
今までトイレには一方からしか向かっていなかったが、反対側から入ってみた。
看板が立っていた。
「テント設営禁止」
わちゃー。やってしまった…
知らなかったとは言え、申し訳ない。
お遍路さん、ここはテント禁止です…

今更遅いけれど、慌てて準備をして室戸岬へ向かう一歩を踏み出した。
高知に入ったことで、胸が高鳴った。
しばらく歩くと、昨夜泊まるはずだった生見海岸が見えてきた。
いつもは車で来ていたため感覚が全く違っていて、知っている場所のはずなのに変な感じがする。
温水シャワーを横目に、今日は宿に泊まるから、と足早に通り過ぎる。

今日は凪。
だが、波間には既にサーフボードと黒い頭がいくつも浮かんでいた。

生見を過ぎ、照りつける太陽の中を歩く。
朝から暑い。
やはり高知は、太陽光線がきつい。
昔住んでいた沖縄やカリフォルニアほどではないが、しばらく関西に慣れきっていた肌に突き刺さる。
フラフラ集落に入り、しばらくすると、右手に番外霊場である東洋大師明徳寺が見えてきた。
階段を上がると、すぐ右手にこぎれいな通夜堂が見えた。
布団などもある。
この辺なら、ここで泊まるのが良かったのだろう。

通夜堂から目を離し、左側を見るとなにやら恐い顔をした住職さんのような人が、修験衣装(山伏衣装?)を着て火を焚いている。
どうやらお札や護摩木を燃やしているらしい。
おはようございます、と挨拶をし、本堂にお参りしお経を唱えた。
それが終わり、通夜堂の前で休憩をさせてもらっていると、
「火渡りやるか?」
と、声を掛けられた。
は?火渡り?私がですか?いやいや、熱くないんですか?
「何事も経験だ。やってみなさい。それと、写真を撮ってくれ。」
と、言われた。
修験もこのお寺は行っているのですか?と尋ねると、
「まあ、そうだな。このお寺がそう、というわけではないのだが、たまにな。」
と返事が返ってきた。
あ、そういえば本堂横にあったこのお寺のパンフレットには、「滝修行」と題してちょろちょろと樋のようなものから流れる水の下に印を組んで立つ人の写真が載っていた。
これ、滝修行ちゃうやろ!と心の中でつっこんだのを思い出した。
住職が炭を脇に寄せたり作業をしていたので、後ろにつながれていた犬と遊んだ。
人に触られるのにあまり慣れていない様子の犬だった。
触ってやるとうれしそうに尻尾を振るのだが、ちょっとぎこちなかった。
この犬捨て犬だったんですか、と尋ねると、
「そうじゃ。捨て犬だったが、今はわしが飼っとる。」
犬は、首輪にお守りなどを付けていて、白衣のようなものを着ていた。
大事にされているんだ、と思うと胸が熱くなった。
良い人に、めぐり合えて良かったね。

しばらくすると、火の準備ができたらしい。
「よし、ここの位置からわしが『よし』と言ったら、シャッターを押してくれ。」
と言って、黄色い写るんですを渡された。

何やらぶつぶつ唱えて印を結ぶ。
「よし!」
パシャ
「取ったか?ちゃんと取ったか?もう一枚いくぞ!」
何やらポーズをつけている。
「よし!」
パシャ
「ちゃんと巻いたか?」
なんだか彼のアシスタントのような気がしてきたが、彼のポーズやいちいち言う台詞がおもしろかったので、撮影を続ける。
いよいよ火渡りである。
「1、2、3、で取ってくれよ。1、2、3!」
「取れたか?今度は火の真ん中くらいで取ってくれ!」
こんな調子で15枚くらい彼の修行ドキュメンタリーを取り続けた。

「よし、次は君の番だ。こっちに来なさい。」
言われて火の前に立つ。
熱いんだろうか。それが本当に祈りなんかで熱くなくなるんだろうか?
住職さんは、火の反対側に言って何やら呪文を唱える。
そして写真を撮ってくれる。
「1、2、3で走りなさい。1、2、3!」
熱くない。
全然熱くない。
ってか、火渡りじゃなくてこれ、炭渡りだろ!
口に出しては言えなかったが、心の叫びは大きかった。

その後3回ほど炭渡りをして、OKがだされた。
「納め札の裏に住所を書いて、渡しなさい。写真ができたら送ってあげるから。まだフィルムが残っているから、すぐには送れんけどな。」
いや、私も遍路途中なんですぐに家には帰れませんから…
「うん、グッドタイミングだったな。準備をしていたら、丁度来てくれたしな。うん、ありがとう。」
この住職さん、ぶっきらぼうだし顔は恐いけど、本当はとても優しい人みたいだ。
楽しかった。出会えてよかった。
ありがとう、住職さん。お元気で!
お礼を言って、深く出口で一礼して、また室戸への道に戻った。
写真は、その2週間後くらいに届いているよ、と家から連絡があった。
明徳寺

明徳寺を出て、野根の集落を進むと左手に「野根まんじゅう」ののぼりが見えてきた。
中には人が沢山いて、どうやらまんじゅうを蒸しているようだ。
食べたかったのだが、ばら売りをしてくれるか分からなかったのと、店自体がまだ開いているように見えなかったので、素通りをしてしまった。
後で知ったのだが、この野根まんじゅうは、高知ではすごく有名なまんじゅうらしい。

野根の集落を抜けると、ここから室戸岬まで国道の一本道になる。
左には低い崖下に広がる青い海、右には山。
本当に国道しかない。
自動販売機もないので、明徳寺か野根集落できちんと水分補給をしておかないと辛い。
遍路地図にはここから10kmほどまったく休憩所が記載されていないが、実際には3箇所休憩できる場所があった。
最初は野根から2.5kmくらいの場所にある「ゴロゴロ休憩所」。
東屋がある。
この辺りの海岸線には丸い石が多くあり、波が強い日にはゴロゴロ音がするらしい。
なるほど。確かに波が寄せる度にゴロゴロゴロと音がした。
次の休憩所は、空法上人をお祭りしてある場所。
ここには湧水とトイレもある。
木陰が涼しい。
次は、ヨドノイソ休憩所があり、そこにも東屋があった。

昨日白浜海岸で洗濯して乾ききっていなかった衣類をバックパックに乗せて干しながら歩いていたのだが、気がついた時にはバッグの上にはTシャツしか乗っていなかった。
この国道で快適な方のズボンを落としてしまった。
ショック…
これで、今履いている不快極まりないナイロンの白い遍路ズボンしか着替えがなくなってしまった…
どこかでもっと着心地が良いものを調達しないと。

佐喜浜に到着する少し手前で、バックパッカーに出会った。
お遍路さんなんだろうが、白衣も菅笠も金剛杖すら持っていなかったので、バックパッカーだ。
まだ若い男の子だった。
真っ黒に日焼けしていて、暑そうに歩いている。
いつものように挨拶をして通りすがりに、もうすぐ休憩所があるよ、頑張って、と言うと、立ち止まってイアホンを外して、え?と言われた。
同じ事を繰り返し言うと、「あー、やっとかー。ありがとうございます。」と言って去っていった。
正直この時、もったいないな、と思った。
私もiPodを持って来ていたが、歩いている間はやはり四国との一体感を大切にしたかったので昼間は聞かないようにしていた。
人それぞれの歩き方があるのだろうが、ただもったいないな、と思ったのだ。

今晩は、お風呂にも入りたかったので宿に泊まろうと思っていた。
足も疲れていたので、2件しかない民宿の手前のほう「ロッジおざき」さんに電話予約を入れた。
佐喜浜港付近には大師堂があるらしいので、この辺で野宿する人は参考までに。

「ロッジおざき」さんの若女将はものすごく美人だった。
後で分かるのだが、この辺りでも、遍路の間でもものすごく有名らしい。
夕食も美味しかった。

布団に入り、ゆっくりと休ませてもらった。
今日ズボンを無くしたのは本当にショックだったが、高知に入った喜びはまだまだ続いていた。

今日出会った全ての人々と動物たち、ありがとうございました!

11日目 歩行距離 22.6km
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