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11月6日(木) 30日目 民宿(山代屋旅館)

土佐くろしお鉄道宿毛線の始発は5時38分。
その20分ほど前から既に乗客が駅舎に入って来た。
邪魔者は、私たち。
まだ目覚めていない頭がぼーっとしているが、ベンチから降りて荷物を寄せた。
駅舎に入ってきた乗客の人に、きちんと謝って話をしている10も年下の堀○君は、すごいと思った。

始発が発車してから、二人とももそもそと朝の身支度をした。
朝ごはんを食べて、歯を磨いて。
ここは水道もトイレもないので、ペットボトルの水で歯を磨く。
私は、おばあちゃんにお守り渡したかったので、堀○君より一足先に出発した。
私が涙を流しながらたこ焼きを食べた交差点近くにコンビニがあり、そこに堀○君も寄ると言っていた。
また会おう、元気で頑張ろうね、と言って駅舎を出た。

たこ焼き屋の前に行くと、当然だろうが閉まっていた。
まだ朝の7時だ。
そこで、納め札の裏におばあさんへの手紙を書き、テーピング用テープでお守りを窓に留めてきた。
おばんさんへの手紙を書くのに、すこし時間がかかってしまい、コンビニに到着したときには堀○君の姿はなかった。
堀○君とは、残念ながらここでお別れになってしまった。
彼の名前を88番手前の遍路交流所で見たので、最後までしっかり元気に回ったみたいだ。
良かった。

今日は、いよいよ修行の道場土佐の最終日だ。
愛媛との県境は、もう目の前。
宿毛から6kmほど歩いた海抜300mの松尾峠が、もう伊予の国だ。
宿毛の市街地を抜け、へんろ道へ入る。

のんびりとした山道や田舎道を歩いて行くと、
「モ~すぐ愛媛だぞ~」
と書かれた看板があり、赤牛の子牛が二匹簡単な柵の中を歩いていた。

道端の雑草を摘んで差し出すと、二匹が寄って来た。
紫色の大きな舌でぐるり、と草をつかみ口に入れた。
その様子が可愛くて、しばらく草を与えた。
043.jpg
この子たちも食用牛らしく、可哀そうになった。
なんとか食べられないといいな、と願わずにはおれなかった。

牛を過ぎると、松尾大師跡に向かうへんろ道に入った。
山道に入ると必ずかかっている、私が大好きなお札がここにもかかっていた。
「心をあらい 心をみがく へんろ道」
044.jpg
山道で、何度自分にそう言い聞かせ登ったことだろう。
きれいな空気を吸い、美しい景色を眺め、自分の体を鍛え、人の温かさに触れてきた。
少しでも私自身の心も磨けているだろうか。

松尾峠への道は、楽ではなかった。
途中見た木に、他の木がいろいろ着生しているようで楽しいと共に、自然の力強さと寛容さが心に響いた。
045.jpg

そしてようやく松尾大師跡に辿りついた。
ここには東屋のようなものがあり、野宿はできるようだ。
愛媛との県境には、江戸時代の指標がそのまま残っていた。
046.jpg
ようやく伊予の国にたどり着いた。
土佐の地のなんと長かったことだろう。
伊予に入り、後ろを振り向き、ありがとー、今までありがとうございました!と叫んだ。
そして、菩提の道場、伊予へ足を進めていった。

高知県と愛媛県の県境で、この1本のへんろ道は驚くほど変貌した。
高知側の道は、所々草も刈られていない山道だったが、愛媛県に一歩足を踏み入れた途端道が広がり、さながら山林公園のようになっていた。
これが信仰の差なのか、歴史を重んじる心の差なのか、経済差なのかはわからないが、面白いなと思った。

山林公園へんろ道を下ると、細いアスファルトの道に出た。
途中畑で作業していたおばさんに、
「御苦労さま。頑張ってね。」
と、温かい言葉をいただいた。
ありがとう、おばさん。
途中遍路地図に載っていない、真新しい綺麗な公衆トイレが神社の横にできていた。
その少し先には東屋もあったので、ここで少し休憩させてもらった。
そして、一本松の町へ向かった。
遍路道から外れるが、この町には町営の一本松温泉があり、400円でお風呂に入れる。
歩き遍路や、赤岡の石○さんに教えていただいた。

一本松で雨が降って来た。
ここからはしばらく国道沿いに歩く。
谷間をいくつもの橋が架かっているような国道で、一匹子猫が佇んでいた。
車に怯えているようだった。
保護しようと近づくと、走って逃げてしまう。
追いかけて車に轢かれてしまっては、元も子もないのでカリカリを少しだけ置いて立ち去った。
どうかどうか、あの子が無事でいますように。

そして、40番札所のある愛南町中心部へ到着した。

40番札所 観自在寺 26.5km
ここにも通夜堂があるらしい。

今晩の宿は、観自在寺近くにある山代屋旅館。
大正元年創業で、天井が低くとても良い感じのお宿だった。
おじさんもとても優しく、お洗濯までおばあちゃんがお接待で行ってくれた。
夜ごはんは、いかなごの刺身だった。
野宿でない歩きお遍路さんは、高知で毎晩カツヲのたたき攻めに会うので、それを考慮してカツヲをださないようにしているとおっしゃっていた。
それを抜いても、イカナゴの刺身を食べるのは初めてだった。
いつもスーパーでゆでた状態のものを見ていたが、刺身はタンパクでなかなか美味だった。
ごちそうさまでした。
この宿は本当によかったが、防音設備が整ってはなくて宿の子供の声がうるさかったのが唯一の欠点だった…
でも、このお孫さんを溺愛しているおじさんを見ると、許さざるをえなくなる。

愛媛の第一夜は、民宿。
宇和島海中公園に最も近い遍路道なので、寄り道もしたかったが、結局できなかった。
今日出会ったすべての物に、ありがとう。

通算30日目 歩行距離19.5km
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